局所敵対的摂動による音楽記号認識の選択的妨害に基づく楽譜保護手法

狩野 花奈,西垣 正勝,大木 哲史
コンピュータセキュリティシンポジウム2026(CSS2026), Oct. 2026.
[ Web ] 学生論文賞

Abstract

近年,生成AIの発展に伴い,著作物が著作者の許諾なくAIの学習データとして利用されることへの懸念が高まっている.特に楽譜は創作者の音楽的表現を含む著作物であり,光学音楽認識(Optical Music Recognition:OMR)の高性能化によって,公開された楽譜画像から音楽情報が容易に抽出される可能性がある.本研究では,AIによる情報抽出を困難にしつつ,楽譜本来の用途である閲覧・演奏に必要な視認性を維持することを目的として,楽譜画像に敵対的摂動を付与する手法を提案する.しかし,単純に誤認識率を最大化する攻撃をOMRに適用した場合,音楽的な重要度の低い記号に誤認識が集中する傾向がある.そこで,摂動付与可能範囲を音符周辺に限定するとともに,音符への誤認識を優先的に誘発する攻撃手法を提案する.評価実験の結果,提案手法は楽譜の視認性を維持しつつ,音符情報の抽出を妨害できることを示した.

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