一時的なサービス利用におけるプライバシーを考慮したアカウント管理方法に関する検討

菅沼 弥生,成田 惇,西垣 正勝,大木 哲史
2021年暗号と情報セキュリティシンポジウム概要集, pp.1–7, Jan 2021.

Abstract

本研究の目的は,一時的なサービス利用に伴うプライバシー情報を提供する場面は,どのように設計されるべきかについて検討することである.無料体験といった一時的なサービス利用に際し,プライバシー情報を提供する機会が多く存在する.無料体験は,ユーザがサービスの内容と提供するプライバシー情報の関係を正しく理解することを手助け,プライバシー情報提供への合意形成を支援する.一方で,一時的なサービス利用に際するプライバシー情報提供に対して懸念を抱くユーザが存在する.そこで,本研究では一時的なサービス利用時に,サービス提供者がユーザから提供された個人情報を含むアカウント関連情報を保持する方法を,アカウント管理方法とする.そして,アカウント管理方法を構成する要素を検討し,アカウント管理方法の変化が,ユーザに与える影響を調査した.調査結果から,ユーザは正確性のないアカウント関連情報を提供するかつユーザ自身が提供するアカウント関連情報の正確性を制御できることに対して,プライバシー情報開示に対する安心感を抱くことを明らかにした.

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