セキュリティ問い合わせにおけるチャネル選択要因の分析
Abstract
近年,不正アクセスによるアカウント侵害や不審なメールへの対応など,ユーザがセキュリティに関する問い合わせ(セキュリティ関連問い合わせ)を行う場面がある.セキュリティ関連問い合わせは内容の専門性が高く複雑で緊急度が高い場合も多い.一方で,サポート窓口ではコスト削減のためにチャットボットが用意されることが多く,チャットボットでの解決が困難な場合に電話やWebフォームへ誘導されることもある.しかしこのような問い合わせの流れは,緊急性の高い問い合わせへの即応性を損なったり,複数チャネルをまたぐことで問い合わせ内容と提示される解決策の不整合を招いたりする場合があり,結果としてサービス利用満足度の低下につながる可能性がある.そこで本研究では,セキュリティ関連問い合わせの状況を,問い合わせカテゴリ,緊急度,プライバシー性の3属性に基づいて構造化し,各属性の差異が問い合わせ時のチャネル選択に与える影響をコンジョイント分析により定量的に評価する.さらに,ユーザ特性とチャネル選好の関係を分析し,ユーザに応じた適切なチャネル割り当ての可能性を検討する.