複数のセンサ情報を用いたMRにおける視界操作攻撃検知の提案

荒川 貴彦, 金岡 晃, 西垣 正勝, 大木 哲史
コンピュータセキュリティシンポジウム2024論文集, pp.39-45, 2024-10-15.

Abstract

Mixed Reality(MR)はパススルーを通して現実世界に視覚的な情報を上乗せする特性を利用し,多岐にわたる分野で活用されている.しかしながら,この特性を悪用し,攻撃者が視覚的な情報を意図的に操作することでユーザを危険に晒す攻撃が提案されている.本研究では新たにMRの出力を利用しユーザの知覚情報から現実空間でユーザの近くにいる攻撃者を隠し,プライバシーを脅かす視界操作攻撃を想定し,この攻撃に対しMRデバイスの複数のセンサ情報間の整合性を測り,攻撃を検知する手法を提案する.提案方式では,点群情報と可視光情報をそれぞれ深度バッファに変換し,深度バッファ間の絶対差分を用いて異常検知を行った.特定の閾値と深度バッファの値をシフトさせた際の異常領域の検出性能を評価し,提案手法の有効性および課題を明らかにした.今後に向け,実環境において深度バッファを利用した攻撃検知手法の実用性について議論を行う.

Updated: