操作者とアバターのデジタルツインを用いたオンデマンドアバター認証

芝田 翔, 髙岩 拓海, 梶原 聖矢, 槇原 靖, 八木 康史, 大木 哲史, 西垣 正勝
「情報処理学マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2024)シンポジウム」,セッション7Gユーザブルセキュリティ,pp.1423-1428, JUN 2024.

Abstract

現在,仮想空間において無体物アバターが広く使われており,将来的に,物理空間でも有体物アバターが使われることで,誰もが自由にアバターを利用するアバター共生社会が訪れる.アバター共生社会では,既存のセキュリティ課題に加え,アバターを社会で安全・安心に利用するための新たなセキュリティ基盤の構築が必要となる.アバター特有のセキュリティ需要の一つが,アバターと対峙する利用者が目前のアバターを介して,そのアバターの操作者を確認する「アバター認証」である.アバター認証も,一般的なユーザ認証と同様,事前に登録したテンプレートと認証時に提示されたクエリの同一性(類似性)を確認するという形となる.しかし,アバター共生社会においては,操作者は無数のアバターを用途ごとに使い分けることが想定されており,操作者が利用し得るすべてのアバターに対してあらかじめテンプレートを作成しておくことは,非常に負荷が大きい.そこで本研究では,操作者のデジタルツインとアバターのデジタルツインを組み合わせることで,アバター認証実行時にその都度テンプレートを動的に生成する手法を提案する.「ある操作者があるアバターにログインした際のアバターの振る舞い」を,アバター認証実行時にデジタルツイン内でシミュレートすることで,あらゆるアバターの種類・利用場面・操作者に対して,テンプレートの事前登録なしで実行可能なオンデマンドアバター認証を実現する.

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