物理的障壁を考慮した超音波による接触通知フレームワークの提案

相場 智也, 土屋 純,成田 惇,西垣 正勝,大木 哲史
2022年暗号と情報セキュリティシンポジウム概要集, pp. 1–8, Jan 2022.

Abstract

2019年に発生したCOVID-19は,感染力の高さから瞬く間に世界中に感染拡大した.感染拡大を防止する手段として,Exposure Notification(EN)フレームワークが開発された.Bluetooth Low Energy(BLE)を利用したENフレームワークは,BLEの特性から,距離だけでなく屋内外や向きなどの影響を受け誤検知が発生するため,BLE以外のセンシングを利用した手法が研究されている.その中でも音を利用した接触検知手法はスマートフォンで利用できる機能なため手軽に利用できる接触検知手法だと言える.しかし,これらの接触検知手法は1対1通信や各端末で事前学習を必要とするためENフレームワークを利用する大規模システムに適用可能なスケーラビリティを有しない.本研究では,1対1通信,事前学習が不要な接触検知を実現するために,超音波を用いて端末間の壁の有無を検知することで接触検知精度を向上させる手法を提案する.また,基礎的検討として超音波による壁検知精度を検証し,その有効性について報告する.本手法を用いることで,接触誤検知の少ないENフレームワークの実現を目指す.

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