利便性に着目したプライバシー志向性に関する検討
Abstract
多くのサービスでは,サービス向上やサービスの動作そのものを目的としてユーザーのプライバシー情報を取得している.このようなサービスの利用に際して,ユーザーは様々な場面においてプライバシー情報開示の有無を選択している.この選択は意識的あるいは無意識的に行われており,プライバシー情報開示によって個人が得られる利益や,プライバシーリスクに対する認識など,様々な要素が影響すると考えられる.そこで,本研究では,プライバシー開示の結果得られる便益を考慮しながら,開示する情報を決定する性質をプライバシー志向性とし,その性質を明らかにすることを目的とする.くわえて,プライバシー志向性における便益は,どのような要素により構成されているかおよび、実際の開示行動においてどういう影響を与えているのかを評価するための手法について検討し,その結果を報告する.