ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)分野におけるトップ国際会議CHI2026に大木研から2件の論文が採択されました.
2026年4月13日~4月17日にスペインのバルセロナで開催される,ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)分野におけるトップ国際会議CHI2026「The ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI) 2026」に,大木研究室より提出された2件の論文が採択されました.CHIはヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)分野におけるトップ国際会議として知られています.
Secure and Usable Authentication Using Avatar Expression Blendshapes in Virtual Reality
(VRにおけるアバター表情を用いたセキュアかつユーザブルな認証方式)
永井和月,高橋徹朗,片岩拓也,西垣正勝,大木哲史
バーチャルリアリティ(VR)への関心が高まる中で,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の開発が活発に進められている.現在のHMDにおけるユーザ認証手法は仮想キーボードの使用を必要とするが,これはユーザビリティが低く,ショルダーサーフィン攻撃にも脆弱である. この課題に対処するために一部のHMDに搭載されている顔トラッキング機能を用いてユーザの笑顔を追跡する,顔表情に基づく認証手法が提案されている.本論文では,このアプローチをより多様な表情へと拡張し,その有効性およびユーザビリティの双方を評価した.顔表情に基づく認証は,安全かつ使いやすい生体認証システムとなる可能性を有しており,本実験ではEERが0.00167、AUCが最大0.999に達した.さらにユーザスタディを実施した結果,System Usability Scale(SUS)スコアは71.75、NASA-TLXの平均サブスケールスコアは39.6となり,高いユーザビリティが確認された.
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Invisible Consent: Browser Automation by LLM Agents is Not Privacy-aware
(Invisible Consent:LLMエージェントによるブラウザ自動操作はプライバシーを配慮しない)
齊藤遼太,片岩拓也,高島湊斗,大木哲史
Cookie同意インターフェースは,本来,人間ユーザが十分な情報に基づいてトラッキングに関する選択を行うことを目的としている.しかし,LLMベースのブラウジングエージェントは,ユーザが意思決定の瞬間に気づかないまま,これらのダイアログを自律的に処理してしまう可能性がある.我々はこの現象を「Invisible Consent」と呼ぶ.すなわち,ユーザが気づき,熟考し,介入する実質的な機会がないまま,ユーザの代理として同意シグナルが生成される状況である.本研究では,読み込み時に同意インターフェースを提示する計測可能な模擬ウェブサイト上で制御された実ブラウザ実験を行い,同意UIのパターンおよびエージェント側の指示を変化させることで,Invisible Consentを検討する.その結果,条件全体を通じて,エージェントは処理を進めるために最も容易な経路を選択する傾向があり,クッキーを受け入れるケースが多いことが分かった.さらに,「すべて拒否する」という明示的な指示を与えた場合でも,明示的な同意操作が伴う試行の14.4%において受諾が継続しており,この残存率はプロンプトおよびインターフェース設計の双方に依存して変化することが確認された.
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